bingxiang/冰箱

「ビンシャン」と読みます。中国語で冷蔵庫のことです

Staying Sober/シラフで

Staying Sober

Once my life was really a lot of silly and childish lies
And I couldn't remember what I had said as excuses
People recommended me to stop drinking, but I couldn't accept that advice
At last, I started attending the meeting the city produces

At first, I couldn't stay quiet and listen to every member's story
"Do I have to endure this boring time? I'm losing my time!"
But my body started remembering the truth. Confession brings me a glory
And it leads me to understand a simple truth. Telling lies is a crime

I can feel the clear, great feeling of being born again
Sometimes I feel the desire of drinking once more like sudden rain
But now I can go through it with my friends' help. It's what I remain

I won't say that I'm great enough so stop drinking alcohol
Because if I said so, then I would experience another fall
I can see myself. I'm not tall and smart. I'm just silly and small


シラフで

その昔、ぼくの生活はたくさんのバカバカしい、子どもっぽい嘘を並べてばかり
そしてぼくはいったい何を言い訳に言ったかも思い出せなかった
人はぼくに断酒を薦めたけれど、ぼくはそのアドバイスを聞けなかった
結局、ぼくは市が行うミーティングに参加するようになった

最初、ぼくは会員の話にじっと黙って耳を貸すことができなかった
「こんな退屈な時間を過ごすのか? 時間がもったいない!」
でもぼくの身体が真実を覚え始めた。告白は栄光をもたらす
そして単純な真実をわからせてくれた。嘘をつくのは犯罪だと

ぼくははっきりした、大いなる生まれ変わりの感情を抱く
時々ぼくは、通り雨のようにまた呑みたいと欲望を抱く
でもいま、ぼくは友だちの助けで何とかやれている。それを気に留めている

ぼくは自分がすごいから酒を止められているなんて言わない
だってもしそう言ったら、ぼくは別の失敗をするだろう
ぼくは自分自身が見える。とても賢くなんかない。愚かでちっぽけな人間だ

Working/為事

Working

Once my ex-boss said, "To be a thief!
I won't tell you everything, so you read what I mean"
I tried to steal something from him, but it was brief
I couldn't become a good worker, and to see my senses weren't keen

And now, I'm not anyone else's boss. That's my style
Maybe I'm too autistic to tell or share my method, or my way
I've worked at the same department store without a smile
Yes... as you know, that attitude lets me be a stray

And about 20 years passed. Can I be proud of this myself? How I can?
Or I should think about possible life? Can I have another plan?
Now I can't remember why I do my work. Why I began?

But one thing I can say is that I've built this myself by my job
Now I name myself really strangely. It's a cat which does throb
I am now live a modest life. But I have a good life to be a mob


為事

その昔ぼくの元上司は言った。「仕事は盗むものだ
おれは何も教えないから、何を考えているか読んでみろ」
ぼくは彼から盗もうとした。でも短命に終わってしまった
いい従業員にはなれずじまい。ぼくの感覚は鈍いようだ

そしていま、ぼくは誰の上司でもない。それがぼくの流儀
たぶんぼくのやり方は特殊過ぎる。発達障害ゆえかもしれない
笑顔も見せず、ぼくはデパートメントストアで働いている
そう、わかるだろう? そんな態度だから好かれない

そして20年ほどが過ぎた。ぼく自身を誇れるだろうか? どうやって?
ありえる人生を考えた方がいいんだろうか? 別のプランについて考えた方が?
いま、ぼくはなぜ働くのかわからない。どうしてこんな仕事始めたんだろう

でも言えることは、ぼくは仕事によってぼく自身を作り上げた
ぼくは自分自身に奇妙な名前をつけた。鼓動を脈打たせる猫、と
いまぼくは質素に暮らしている。モブの1人としていい人生を送っている

A Delightful Confession Song/喜びに満ちた告白を歌う

A Delightful Confession Song

Oh my gosh. I must be my silly instinct's slave
I need to eat and drink if I am getting slimmer
If I drank a lot, then my stomach would start its rave
Therefore I confess it, then my story will become other's glimmer

That's the mechanism of self-help group. It's great
Because if I lose by myself, then other people will learn from me
I quit drinking, and started confessing my state
Now I've been living in sober mind, and it's truly carefree

How can I sing this delightful song? Is it needed by anyone?
I wish you would listen to me, and find it would be a fun
It would be... maybe it would last in your mind as a long run

I'm now happy, and also can live with this creative, positive mind
You would say "It's banal!", but this is the miracle I always find
I can see that happiness is what I shouldn't search for, but I should remind

 

喜びに満ちた告白を歌う

なんてこと、ぼくは愚かしい本能の奴隷
もし痩せてしまうと、飲んで食べたくなる
もしたくさん呑んでしまうと、胃が大騒ぎを始めるだろう
だからそれを告白する。するとぼくの話は他の人の光になる

それが自助グループのメカニズム。すごいと思う
だってもしぼくが自分に負けたら、他の人がぼくから学んでくれる
ぼくは断酒して、そしてぼくのことを語り始めた
いまぼくはシラフで過ごせている。とても気楽でいられる

どのようにしてこの喜びを歌おう? 誰かに必要とされているだろうか
きみが聞いてくれたらいいのに。きっと楽しめるはず
楽しめるはず……きっとそれはきみの中で長く残るだろう

いま、ぼくは幸せ。活発に前向きに生きられている
きみは言うかもしれない。陳腐だって。でも、ぼくが見つける奇跡でもある
幸せとは探し求めるものじゃない。そこにあって思い出すものなんだ

柄谷行人『探究I』と結局つかめなかった蜃気楼

ぼくは読書メーターというサイトで読書の記録をつけているのだけれど、およそ3年前にこの柄谷行人『探究I』を読み通してその寸評を書いている。だけど、その寸評を読み返しても「え、こんな本だったっけ?」と感じる始末でありつまりは『探究I』にいったい何が書いてあったのか、これっぽっちも思い出せないという体たらくだ。この『探究I』に限らず柄谷行人の書くものはそうして、ぼくにとって蜃気楼のようにやっとつかめたと思ってもその瞬間に指の間をすり抜けていくそんな手応えのものとして立ち現れる。その原因としては、ひとえにぼくがアホだからということで片がつくのだろうと思う(もちろん本音です)。でも、負け惜しみを言えばそうしてぼく自身が記憶喪失者な読者だからこそ何度も『探究I』や『探究II』、あるいは他の柄谷のテクストを読み返して学び直せる楽しみというのがあるのだと思う。では、今回の読書でそんな記憶喪失者なぼくはいったいどんな蜃気楼の一端をつかめたというのだろうか。

ぼくはこうして言葉を書き記す。そしてそれを、あなたが(そして厳密にはこれを書いているぼく自身も)読み取る。それを柄谷は「教える―学ぶ」という図式で説明しようとする。その図式において「私自身の“確実性”をうしなわせる他者」(文庫版p.8)が現れる。それは「語る―聞く」ではいけない、と彼は書く。「教える―学ぶ」の関係では相手が知らないことをそれを知っている人が「教える」ということが前提となる。だが、その「教える―学ぶ」のやり取りで「教え」られたことが相手にとってはっきり「学」ばれたと言える時。それはどんな時なのだろう。いや常識的に言えば相手が「教え」たことを呑み込めた時となる。が、ウィトゲンシュタインを引く柄谷はその定義をさらに掘り下げ、そうして「学」ばれた時、呑み込めたと言い切れる時はどこなのかを問い続ける。それは「命がけの飛躍」を伴う、結果として蓋然的に(つまり、なんとなく/だいたいで)伝わったとしか言えない時である、ということになる……というのが柄谷のはじき出した結論になると言えるかもしれない。

というような整理から、柄谷はぼくたちの言葉のやり取りがいかに無根拠なものかを暴いていく。それはそのままマルクスを引いた貨幣(つまりお金)のやり取りの無根拠さと結び付けられていき、あるいはぼくたちの住む世界における真の「他者性」とは何かといった議論へと至る。確かにこうした議論は読めば読むほどスリリングではあるのだけれど、ではその無根拠なコミュニケーションの成り立ちを暴くことやもしくは「他者」への態度を学ぶことはいったい何を生み出しうるだろうか……と書いていって、たぶんぼくがいつまで経ってもこの『探究I』を読み通した気になれない理由がわかった。つまり、柄谷は柄谷の実存から生まれた問題意識を哲学や文学の語彙で語っている。これは貶すつもりで書いているのではない。誰の哲学ももともとはそうした個人の実体験(読書や実人生の経験など)がソースとなると考えるべきだろう。なら、そうしたことがらはぼくにとって結局柄谷が書き記すテクストで追体験/トレースするしかない。平たくざっくり言えば、ぼくは柄谷の哲学をヴァーチャルに体験するしかない。

でも、そう考えていくとぼくは誰の哲学だってヴァーチャル・フィロソフィーとして体験しているとも言えるわけで、そんなヴァーチャルなプログラムとしての哲学を自分の実人生で走らせようとして、当然ぼくは柄谷でも誰でもないわけだからおかしなことになる。ということで言えば、ぼくは今回の読み込みとこんな感想を書く作業を通して、結局ぼくは柄谷の哲学を参考にしてぼくの人生を生きるしかないと思った……というのがファイナルアンサー(古いかな?)ということになる。ただそんなふうに書いてしまうと、最初は未知のものとして(たぶんに「他者性」をはらんだものとして)現れた柄谷のテクストを自分にとって都合よく、口当たりのいいマイルドなものとして受け取ることになるのではないか、と一抹の不安を感じてしまいもするのだった。結局そのようにしてぼくは、今回の読書体験で得られたものもいい読み物だったという程度の感想で読み流してしまうのかな、と。そんな記憶喪失者なぼく自身こそがぼくにとって「他者」でありうる……と書いたら叱られるだろうか。

I Trust The Trust/信じることを信じる

I Trust The Trust

When I was seventeen, I pretended to be a dead
What a miserable youth! I thought I had lost the right
After those days, I spent my life drunken in the bed
But as The Smiths sings, in my mind there was a certain bright light

Now I want to ask this. "Hey, what do you trust?"
All I trust is just the senses of mine. I can swear
People would blame me a lot. But this is based on my lust
But I don't want to be selfish. I can even say a prayer

I can feel that I've changed a lot. Really a lot
Because now I can say that I am proud of what I've got
Indeed, I have to obey many rules. But basically I'm not a robot

You might ask to me that why I can live with a pride
If I answered "Because of you", would you get pop-eyed?
Then I have to add this. "I trust the trust". It's the answer I can provide

 

信じることを信じる

17歳の時、ぼくは死んだ人間を装っていた
何とも惨めな青春! ぼくは権利なんてないと思っていた
そうした日々のあと、ぼくは酒に溺れてベッドでムダに生きた
でもザ・スミスが歌うように、心の中には消えない光があった

こう訊きたいんだ。「ねえ、何を信じるの?」
ぼくが信じるものはこの感覚。誓ったっていい
人はぼくを責めるだろう。でもこれはぼくの欲望のなせる業
わがままになりたいわけじゃない。ぼくは祈ることができる

ぼくは感じられる。ぼくは変わってしまった。とても激しく
いまぼくは自分が得たものを誇れると胸を張って言える
たくさんのルールを守らないといけない。でもぼくはロボットじゃない

訊くかもしれない。どうして誇り高く生きられるのか
もし「きみのせいだ」と答えたら、きみは目を丸くするのだろうか
こうつけ加えないといけない。「信じることを信じる」と。それがぼくの答え

Life is big/人生は大きくて

Life is big

A teacher said to me "Please tell me your dream!"
I was a kid. She said I could become what I wanted to be
I couldn't describe my thought. I even made a scream
Now I become a nameless worker, and live like a tiny bee

But I don't want to write about how this life is bad
Because if I were almighty, and everything could become true
Then I would become a really, really banal man. So I'm glad
Yes, I am truly poor. But I can satisfied with this person, this who

I've been this who I'm. I remember once I tried to change it
I bought expensive books to do so, but it's just to become a hypocrite
Therefore I had to find out I'm a cluster of paradoxes. Oh shit!

After that vain trial, I encountered many friends at last
This is what I want to write... Life is bigger than my head. It must be vast
I enjoy this life's flowing speed. It's slow? Or ultimately fast?


人生は大きくて

先生がぼくに言った。「夢を教えてくれるかな」と
ぼくは子どもだった。彼女は言った。ぼくは何にでもなれると
考えを語ることができなかった。叫んだりさえしたものだ
いま、ぼくは無名の労働者。小さなハチのように生きている

でも、この人生がダメだって話を書きたいわけじゃない
もしぼくが万能で、何でもかんでもうまくいったなら
ぼくはきっととても、ほんとうに陳腐な人間になった。だからいまはいい
ぼくはほんとうに貧しいけど、このぼく自身であることに満足する

ぼくはこのぼくだった。それを変えようとぼくはかつて頑張った
高い本を買い込んでやってみて……でも偽善者になるのと同じで
だからぼくは、自分が矛盾のかたまりだとわかったんだ。ああ!

その虚しい試みのあと、ついに多くの友だちと出会った
これがぼくが書きたいこと……人生はぼくの頭よりも大きい。ずっと広大だ
ぼくはこの人生の流れる速度を楽しむ。遅いだろうか。とっても速いだろうか

A Bridge From A Fridge/冷蔵庫から生まれる橋

A Bridge From A Fridge

It seems my mind is like a fridge
At last, I've found a dream of becoming a bridge
A bridge, where people can encounter each other
They might call them as a sister or a brother

Yes, that must be too enormous to carry
I can see, and TBH I feel really scary
But why? It must bring me the life like a party
All I need is just a certain will to start it

Today, lunchtime, I wanna have a lunchbox of sushi
Will I be able to say as a rock star, "Can you see it"?
Or I'm just trying sewing seeds into sea?

This is the first sonnet poem I've made in my life
I wrote this one by myself, I'm now actually alive
Yes, this one also came from my mind's archive


冷蔵庫から生まれる橋

ぼくの心は冷蔵庫のように思える
ついに、ぼくは橋になるという夢を見つけた
橋だ、そこでは互いに人が出会う
お互いのことをシスターとかブラザーとか呼ぶのだろう

そう、それはとても大きすぎて持ち運べない
わかるんだ、そして実はとても怖い
でもどうして? パーティのような日々が約束されている
必要なのは始めるための意志を持つこと

今日、ランチタイムにぼくは寿司を食べようと思う
歳を取れば今日のロックスターのように、「わかるかい」って言えるかな
あるいはぼくは海に種を撒こうとしているだけなのか

これがぼくが人生で書いたはじめてのソネット
自力で書いた。ぼくは生きている
そう、この詩もまた心の貯蔵庫から現れた